サッカートレーナー
サッカーのオーバートレーニングを見分ける方法
高浜市の接骨院 院長、日体協公認ATの石川です。
オーバートレーニングは2つの側面から不利益を生じます。
1つは、怪我や使い過ぎによる障害、免疫力低下に伴うウィルス感染に繋がりやすい点です。
そしてもう1つは、100%の力でトレーニングに臨めないため、身体能力を向上させることが難しくなってしまう点です。
by 2e14
オーバートレーニングの危険信号とは?
強度の高いトレーニングを行うと、運動直後(急性筋肉痛)や翌日などに筋肉痛(遅発性筋肉痛:DOMS)となって身体が反応します。これらの筋肉痛は、筋肉が「超回復」し、身体能力を向上させる上で必要な過程です。
一方、オーバートレーニングになると、よく眠れず、朝起きても疲れが残っていたり、吐き気を催したり、心拍数や血圧の上昇、パフォーマンス低下などの危険信号が身体から発せられます。
この信号は人それぞれですが、起床直後や安静時の心拍数が連日低下/上昇していたり、特定のトレーニングの心拍数がいつもと異なる場合は、オーバートレーニングである可能性が高くなります。
オーバートレーニングになってしまったら
これらの症状は、休息・回復期間が不十分であるか、トレーニングの強度が高すぎることを意味しているため、一旦完全にトレーニングを休むか、強度を大幅に抑える必要があります。
また、そもそもオーバートレーニングにならないよう、プログラムを組み予防することが最も大切です。
オーバートレーニングの予防法
・筋肉が再合成するのには36時間必要、ということを念頭に回復プログラムを組み立てる(必ずしもトレーニングごとに36時間ずつ休む必要はなく、強度を調整したり、身体の状態に合わせてトレーニングすることが大切)
・消極的回復(完全に休む)と、積極的回復(練習後のクールダウン ジョグのように、強度の低い有酸素性トレーニングで血流を促進し、回復を促す)の両方を行う
・低・中・高強度の運動を組み合わせる
・糖質などの栄養素を十分摂取する
リトルなでしこと中田英寿の共通点とは?
高浜市の接骨院 院長、日体協公認ATのサッカートレーナー、石川です。
「リトルなでしこ」の大部コーチが語った言葉がとても印象的でした。
「パスコースを消すポジショニングやインターセプトなど、緻密さが求められるプレーを日本人は得意としていると思うんです。
そこで私たちは、自分のマークする選手だけでなくスペースも見る、というように『2つのことに同時に気を配る』ことを指導しました。
そしてそれができるようになったら、背後のスペースや味方がマークしている選手も半分見るとか、できることを3つ、4つと増やしていくのです」
つまり、常に先読みできるよう、視野を広くしたり、次の展開をイメージしたりするトレーニングを受けていたのです。
たしかにこうしたトレーニングが功を奏し、たとえ1vs1の球際や局面の戦いで負けたとしても、仲間のサポートやチームワークにより、全体としては優勢に試合を運べる状態となっていました。
視野の広さと戦術眼を武器に世界と戦う
by koalazymonkey
日本のサッカー選手の中で、これらを武器に世界で活躍した選手と言えば、中田英寿選手が有名です。彼は良く「グラウンドを上から俯瞰したような視点でプレーしている」と評されていました。
実際には、人間が物事をしっかり認識できる有効視野は前方70度程度と言われているため、普通にプレーしていてはもちろん不可能な訳です。
ですが、次の展開に備えて半身の姿勢で視野を確保したり、過去の体験や知識、チームでの約束事をもとに次のプレーをイメージすることで、一つ一つのプレーがよりダイナミックに、スピーディーになってくるのです。
こうした戦術眼は、もちろん一夜には備わりません。ただ首を振ったり、顔を上げるだけではできません。どんなタイミングで、何に注目し、どう判断・イメージするのか、その具体的な方法を日頃からトレーニングすることが非常に大切です。
女子サッカー選手が注意すべき疲労骨折の3つの兆候
高浜市の接骨院 院長、日体協公認アスレチックトレーナーの石川です。
先日、リトルなでしこたちが世界チャンピオンになりましたね。
私たちが現役の時代には想像もつかなかった光景です。観ている人に大きな感動と希望を与えてくれる出来事でした。
彼女たちの活躍により、今後ますます将来サッカー選手になることを夢見る女の子たちが増えるのではないかと期待されます。
女子選手は男子よりも疲労骨折しやすい?!
さて、そんなプロの女子サッカー選手を目指す上で、気をつけておきたいことがあります。それは、女子選手と男子との身体の違いです。
現実問題として、女子選手の多くは男子と同様の指導を受け、同様のトレーニングを行うことが多いことでしょう。けれどその結果、男子よりも すねの骨(脛骨)や足の骨の疲労骨折を起こす確率が高くなってしまっているのです。
疲労骨折を起こしやすい女子選手の3つの兆候とは?
その3つとは、カロリー制限、 月経不順、骨密度の低下です。
摂取カロリーを抑えて体脂肪を減らそうと減量する選手が多くいます。その結果、
【摂取カロリー < 消費カロリー】
という状態になりやすくなります。
こうしたカロリー不足の状態でトレーニングを行ったり、その他の問題が原因となったりし、月経の遅れなどの月経不順を起こすことがあります。これは、女性ホルモン「エストロゲン」の周期的変動が乱れていることを意味します。
エストロゲンの不足は骨密度の低下を招きます。そして、骨密度が低下すると疲労骨折を起こしやすくなるのです。
疲労骨折を予防するために
十分なカロリーを摂取し、健康的な栄養バランスを保つことが最も大切です。その上で、トレーニング量を急に増やしたりせず、また常に自分の身体の変化に注意を払うようにしましょう。
リトルなでしこを支えたスポーツトレーナーとは?
高浜市のひえだ接骨院 院長、柔道整復師、日体協公認スポーツトレーナーの石川です。
6戦全勝でU-17女子W杯の世界一に輝いた「リトルなでしこ」たち。
この快挙の原動力は、高倉麻子監督も記者会見で述べられていたように、選手たち自身の努力はもちろんのこと、これまで選手たちの育成に携わってきた方々、全員の力によるものが大きいでしょう。
そのお一人として挙げられるのが、今回リトルなでしこのトレーナーを務めた佐瀬由紀子さんです。
佐瀬トレーナーとは?
幼少期よりバスケットボールを始め、選手時代は日本リーグ1部で3位の成績を残した実績を持つバスケ出身のトレーナーです。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格だけでなく、日体協公認アスレティックトレーナーでもあります。
これまでも、ソフトボール女子日本代表やバスケットボールのU-16日本女子代表、Vプレミアリーグのバレーボールチーム、プロスノーボーダーのパーソナルトレーナーなど、数々の指導実績を持っていらっしゃいます。
実は佐瀬トレーナー、小さい頃はサッカーをやりたかったそうで、選手ではないにしろサッカーに携わり世界一の座に輝いたことは、トレーナー冥利に尽きることでしょう。
リトルなでしこのフィジカルトレーニングとは?
では、そんな佐瀬トレーナーはいったいどのような体幹トレーニングを行ったのでしょうか?
キャプテンを務めた杉田妃和選手はこう言います。
「毎日やってキツかったです。けれど、大会中に大きなケガをする選手が一人もいなくて、よかったと思います。私自身も、コンタクトプレーの時などで効果を実感しています。」
組織的なプレーやチームワークの強さばかりが注目を浴びていますが、それらを支える土台となる身体作りあってこその優勝であったことは言うまでもありませんね。
ヒディング監督の右腕が教える勝ち続けるための身体の作り方
高浜市の接骨院 院長、日体協公認ATのサッカートレーナー、石川です。
今年のW杯ブラジル大会終了後に、あの名将ヒディング監督が再びオランダ代表監督に就任するそうです ヒディング監督と言えば、
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1998年 オランダ代表監督としてフランスW杯で4位入賞
2002年 韓国代表監督として日韓W杯で4位入賞
2008年 ロシア代表監督としてEUROでベスト4進出
と、主な戦績だけを挙げてもその智将ぶりは誰もが感じるところではないでしょうか?
そして、そんなヒディング監督の右腕として活躍していたのが、コンディショニングコーチのレイモンド・フェルハイエン氏です。
従来の日本式トレーニングは誤っていた!?
例えばこれまで日本では、サッカーに必要な持久力をつける、という名目で10km、20kmを走り込む持久走トレーニングをしてきました。
同様に、1日2回の練習や、週に6回の練習など、トレーニングの「量」によって身体を強化しようとしてきました。
ですが、こうした日本式のトレーニングは誤りである、とレイモンド氏は警告します。
一定のスピードで走り続ける持久走方式では、サッカーに必要な爆発的な筋力・速筋が鍛えられず、逆に遅筋が必要以上についてしまいかねないからです。
また、トレーニング量が多過ぎると、疲労を回復できずにケガをしやすくなるばかりか、100%の力を発揮できない状態でのトレーニングとなってしまうため、過負荷をかけてさらに上のレベルへと身体を向上させることが難しいからです。
最後までプレーのスピードや質が落ちなくなる!? レイモンド式トレーニングとは?
サッカーの場合、マラソンのような持久力ではなく、爆発的で質の高いプレーを試合終了まで何度も繰り返しできる力が必要とされます。そのため、より短時間で回復できる身体を作ることが重要となります。
では、どうすればそんな身体を作ることができるのでしょうか?
1. トレーニングの量や回数ではなく、強度やスピードを上げる
2. 過負荷をかける
3. しっかりと回復のための休息を取る
これらを計画的に行なうことが非常に大切です。より具体的なトレーニング方法などについては、こちらをご参照下さい>