サッカートレーナー
長友選手の強さの秘密「体幹筋」は何がスゴいのか?
愛知、高浜のサッカートレーナー(日体協公認AT)、ひえだ接骨院 院長の石川です。
今でこそ世界を代表するDFとなった長友佑都選手ですが、高校までは地区選抜にも選ばれない無名選手の一人でした。大学進学後も腰の椎間板ヘルニアを発症してしまい、ベンチで応援する日々が続いていたそうです。
そんな長友選手が世界のトッププレイヤーにまで成長した大きなきっかけが「体幹トレーニング」であったことは、今ではほとんどの人が周知の事実だと思います。
体幹筋とはどの筋肉をさすのか?
体幹とは手足を除いた胴体の部分ですが、中でもサッカー選手に重要になるのは、インナーマッスルと呼ばれる見えない筋肉です。
具体的には、腰背部の脊柱起立筋群や多裂筋などの脊柱を支える筋肉と、腹部から骨盤周りを支える腹横筋や腸腰筋、骨盤底筋群などの筋肉です。
インナーマッスルとアウターマッスルの違い
ボディービルダーとバレリーナをイメージして下さい。多くのボディービルダーは筋肉隆々ですが、早く走ったり、高くジャンプしたりできませんよね。
一方、バレエの熊川哲也氏などは脚も細いですが、しなやかで機敏な動きとともに、信じられないほど高くジャンプをしています。なぜあんなパワフルな動きができるのでしょうか?これこそインナーマッスルの威力だと言えます。
体幹筋のスゴさとは?
体幹とは文字通り身体の幹です。幹が太くしっかりしている木であれば、例え強風が吹いてもびくともしませんよね。
これと同じように、体幹筋がしっかりしていれば、長友選手のようにサッカー選手としては小柄であったとしても、体格に勝る海外の選手たちとぶつかり合っても、飛ばされたり、体勢を崩されたり、ケガをしたりせずにすみます。
また、体幹とは身体の軸であり、動作の出発点です。ボールを蹴ったり、投げたりする際も、まずこの体幹筋が動き、続いて足や腕が動くことになります。
ですから、もしこの体幹筋が弱く不安定だったとしたら、たとえ手足の筋力を強化したとしても、元の動力が弱く、さらに身体のひねりも上手く活かせないため、その分パワーを発揮できなくなるのです。
では、どうすればこの体幹筋を鍛えることができるのでしょうか?
それについては、また次回お伝えします。
中村俊輔選手の専属トレーナーだった小池氏に学ぶ、足首の捻挫からの早期復帰方法
日体協公認AT 愛知のサッカートレーナー 石川です。
今回はあの中村俊輔選手の専属トレーナーとして、イタリアやスコットランドへも帯同された小池 博氏の記事をもとに、加筆しながらご紹介します。
中村俊輔@フリーキック
by k14
サッカーにおける足首の捻挫は、よくあるケガの一つですが、軽く見ていると癖になってしまったり、パフォーマンスが大きく低下してしまう要因ともなるため、注意が必要です。
サッカーにおける足首の捻挫の特徴
・ボール際での接触プレーの時に、受傷することが多い
・接触プレーが無いのに足首の捻挫をよくする選手としない選手が明確に分かれる
・足首の捻挫をよくする選手は、以下のような傾向がある
①過去に不完全なまま復帰してしまい、足首が不安定になっていたり、パフォーマンスが落ちていたりする
②足首の柔軟性が高い
③アキレス腱の柔軟性が低い
・足首の捻挫をよく起こす選手の多くが、フットボーラーズアンクルを発症する
・受傷者の約10%が足首に不安定感を残す
足首の捻挫から早期に復帰するポイント
・ケガをしたら出来る限り早く医師や専門家に重症度などを診断してもらう
①軽症:痛みはあるが、多少走れる。2-3日で復帰可能。
②中等度:痛みや腫れが強く、走れない。2-3週間は復帰にかかる。
③重症:完全なじん帯断裂で、歩くのもままならない。1-2ヶ月は復帰にかかる。
・ケガをした直後からアイシングを行い、どれだけ早く腫れや炎症(内出血、腫脹、熱)を抑えられるかが最大のポイント(もちろん固定も行う)
・炎症がひいたら、できるだけ早期にリハビリを開始する(アキレス腱や足関節周辺の筋肉の緊張を緩めるストレッチや、足底筋や足関節周辺筋の筋力を強化するトレーニング、バランスボールによるトレーニングなど)
・リハビリには、「関節の可動性(関節を動かせる範囲)」「安定性」「協調性(正しい動き方)」という3つの視点が大切
・痛みが治まったとしても、可動域や筋力、そして姿勢や傾きを制御しているセンサーが正常に回復するまでは、完全復帰しない(してしまうと癖になりやすい)
・酸素カプセルやTENS治療などを交えて自然治癒を促進する
世界最高のGKノイアーが示した、次世代GKに必要な6つの能力とは?
愛知のサッカートレーナー(日体協公認AT)、石川です。
今回のブラジルW杯は、GKたちが活躍した大会でもありました。
ブラジル戦でスーパーセーブを連発したメキシコのオチョア選手。
ベルギー戦で38本のシュートを浴びながら、16本をセーブした米国のハワード選手。
ウルグアイ、イタリア、イングランドが揃った死のグループをわずか1失点で切り抜けた、コスタリカのナバス選手は1試合平均90%近いセーブ率を達成しました。
ですが一方で、元メキシコ代表の名GK、ホルヘ・カンポス氏は、
「彼らは下手だ。ラインから離れることを恐れている。」と述べました。
そうです、本当に上手いGKほど、危険を事前に回避する能力が高いのです。
by quapan
そして、そのお手本のような大活躍を見せたのが、大会最優秀GKであり、2013年の年間最優秀GKでもある、ドイツ代表のマヌエル・ノイアー選手です!!
世界最高の選手たちが国の威信をかけて戦ったW杯において、ノイアー選手は7試合中4試合を完封。失点もわずか4点のみでした。
ノイアー選手は何度となくDFラインの裏に出されたパスを阻止し、ペナルティーエリアの外に果敢に飛び出し、シュートチャンスを未然に防ぎました!
さらに、最終ラインでの正確なパス交換でチームに落ち着きを与え、時にはスルーパスのようなロングキックで再三にわたって決定的なチャンスを作り出しました!
これまでのGKに要求された4つの能力
①シュートに対するセービング力
②ケガをしにくい肉体の強靭さ
③どんなピンチでも凌ぎきる精神力と集中力
④守備をコントロールする統率力と次の展開を予想する戦術力
次世代GKに求められる2つの能力
これらに加えて、
④ペナルティーエリア外でのDF並みの守備力(足や頭でのクリア、スライディングなど)
⑤攻撃の起点となるパスの精度(足下のスキル、ショートパスやロングパスの精度)
こうした要素が次世代のGKたちにはより一層求められるようになることでしょう。
P.S.
最後に、GKは接触プレーが多く、強烈なシュートを受けるために骨折などのケガが多いポジションでもあります。もしケガをしてしまったら、症状が癖になる前に、早めに専門家のもとで適切な治療を受けるようにしましょう。
Jリーガーからブンデスリーガーへと成長した内田選手も痛感した、日々の●●の重要性とは?
愛知県高浜市のサッカートレーナー(AT)、石川です。
リーグでは華々しい実績を残した内田選手!
2006年に、高卒ルーキーとして鹿島アントラーズ史上初となるスタメン出場を果たし、その年のオールスターサッカーにも史上最年少で出場。
2009年には史上初のJリーグ3連覇を果たしたアントラーズの原動力となりました。
そんな内田選手でしたが、2010年にドイツのシャルケ04に移籍した際には、ある大きな壁にぶち当たったと言います。
それは・・・
外国人選手のフィジカルの強さです。
スピードや俊敏性では負けないものの、身体をぶつけられると吹き飛ばされたり、体勢が大きく崩れてしまったりする。
Jリーグでプレーしている時は、感じたことが無かった世界との差。
ブンデスリーガで世界の一流選手たちと対等に戦うためには、フィジカルの強化が欠かせないのです。
そして、そのフィジカルを強化するために、内田選手が特に注意し始めたこと。
それが、
「身体を作る食事や栄養の管理」だったそうです。
「凡人の戦いは食事から始まる」
そう言えば、日本代表のキャプテンであり、同じブンデスリーガーでもある長谷部選手も以前このように述べていました。
栄養管理の重要性は、何もプロ選手に留まるものではありません。むしろ、成長期にあたるユース年代こそ、その重要性は大きいとも言えます。
フィジカルの強化や疲労回復だけでなく、ケガの抑制や早期復帰、そして自分の身体と向き合い、コンディションを調整する管理能力を高めるためにも、若い年代からこうした習慣をつけていくと良いでしょう。
プロ選手は無理でもサッカーを仕事にしたいあなたへ
高浜市の接骨院 院長、日体協公認サッカートレーナーの石川です。
ケガや能力などの問題で、プロ選手の道を断念したサッカー選手は多いと思います。ですが、プロへの道は諦めたとしても、人生を捧げてきたサッカーにこれからも携わっていきたい、そう願う方も多いのではないでしょうか?
私自身サッカーが好きでこの道を選びましたし、スポーツトレーナーになるために「柔道整復師」の資格も取得したため、その気持ちが非常によくわかります。
by A-C-K
サッカーに携われる仕事とは?
実は色々あります。まず、メディア関係やサッカーグッズの製造・販売などを通じて、ビジネスとしてサッカーに携わる仕事があげられます。
今回のワールドカップもそうですが、サッカーは世界的なビッグビジネスです。例えば今大会の日本代表戦の放映権料は400億円ともいわれています。
また、より選手たちと直接関わる仕事ということで、コーチや監督、トレーナー、ドクターという選択肢ももちろんあります。
特に今後、日本のサッカーが世界で飛躍するためには、より専門化され、その分野での能力の高いコーチやトレーナーの役割がますます高まってくると考えられます。
例えば、今回の日本代表のバックルームスタッフは以下のような布陣でした。
・監督:アルベルト・ザッケローニ
・ヘッドコーチ:ステファノ・アグレスティ
・GKコーチ:マウリツィオ・グイード
・フィジカルコーチ:エウジェニオ・アルバレッラ
・テクニカルアシスタント:ジャンパオロ・コラウッティ
・アシスタントコーチ:和田一郎
・コンディショニングコーチ:早川直樹
(敬称略)
一方、W杯を制覇したドイツ代表は、選手が試合でより高いパフォーマンスを発揮できるよう、分業化された各専門家集団が協力し合い、徹底した環境づくりに励んでいます!!
・戦術面5名:レーウ監督、フリック助監督、ケプケGKコーチ、戦術分析担当2名
・メディカル・フィジカル面13名:フィジカルトレーナー4名、セラピスト4名、ドクター3名、心理学カウンセラー、ヨガインストラクター
・ビジネス面1名:チームマネージャー
こうした素晴らしい体制の構築は、一朝一夕では難しいでしょう。ですがその分、こうした道を切り開くことは、後人たちの礎にもなる、非常にやりがいのある仕事となるでしょう。