サッカートレーナー
ケガで泣かないために、サッカー選手がすべきこと
日体協公認ATの愛知のサッカートレーナー、高浜市の接骨院院長でもある石川です。
サッカー選手として海外からも熱い視線を浴びるほどありあまる才能を持っていたとしても、ケガにより思うように活躍できず、ケガに泣かされた悲劇のヒーローたちはこれまでもたくさんいます。
例えば、92年に名古屋グランパスに入団し、日本代表のFWとしても活躍した「レフティーモンスター」小倉隆史選手。小倉選手は右足の後十字靭帯を断裂した後、ケガを繰り返すようになってしまい、以前ほどの活躍ができなくなってしまいました。
他にも、幼少期から「天才」と呼ばれ、18歳でA代表デビューを果たした小野伸二選手は、左膝の靭帯断裂を経験しています。
あの中田英寿選手が「僕らの年代では一番うまい」と絶賛したU-17日本代表の10番、財前宣之選手は、左膝の前十字じん帯断裂後、サッカー人生が大きく変わってしまった一人でもあります。
by calciocatania
サッカーの場合は相手との接触プレーが多いため、100%ケガを防ぐことは不可能です。ですが、できる限りケガをしにくい身体作りを行い、持てる能力を発揮し続けられるようにしていきたいものです。
そこで重要となるのが以下の6つのポイントです。
1. 身体の柔軟性
身体が硬いとプレーの幅が狭まってしまうだけでなく、肉離れなどのケガにつながりやすくなります。特に股関節や足の関節、鼠径部(そけいぶ・太ももの付け根の辺り)を柔軟にするよう、日頃からストレッチを行うようにしましょう。
2. 筋力のバランス
左右の筋力や、太ももの前と後ろの筋力などがアンバランスだと、一方に過度の負担がかかりやすくなるため、ケガをしやすくなってしまいます。バランスよく鍛えていくことがケガの予防につながります。
3. 体幹の強さ
体幹の筋力が弱いと軸がぶれやすいため、タックル等を受けた際に大きくバランスを崩す原因となります。深部にあるインナーマッスルを鍛えることで、体の幹を強靭にし、ぶれにくい身体を作っていきましょう。
4. 持久力
サッカーのケガが多くなる時間帯は、試合終了の10分から15分前と言われています。トレーニングによって持久力をつけることで、ケガをしにくい身体にしていくことが大切です。
5. サッカーの技術
サッカーの技術が未熟な選手ほど受傷率が高いと言われています。高い技術力を身につけることで、ファウルを回避できるようになりましょう。
6. リハビリ
FIFAの医学評価研究センターの調査によると、足関節の捻挫をした選手の約半数が、同じシーズンの間に同様の捻挫を繰り返していることが多いそうです。
復帰を焦るあまりリハビリが不十分な状態で試合に出るのではなく、専門家と相談しながら徐々に身体をならしていき、適切なタイミングで復帰を果たすようにしましょう。
中学生サッカー選手によくある腰痛(疲労骨折)の 原因・症状・対処法
愛知のサッカートレーナー 兼 高浜市の接骨院 院長の石川です。
サッカーに関わらず、スポーツ選手にとってコンディショニングの維持・管理は大切な能力の一つです。
大事な試合で最高のパフォーマンスを発揮するためにも、日頃の生活から体調を整えることはもちろん、トレーニングや適切な食事・休息によって、ケガをしない体づくりをしていくことが重要です。
また、ケガをした時の向き合い方も大切です。復帰を焦るあまり、痛みをこらえて騙し騙し練習をしていても、技術の向上が望めないばかりか、ケガが再発するリスクや身体の他部位に過度の負担がかかりケガをしてしまうこともあります。
ですから、時には思い切って休んだり、ケガの部位を使用しないトレーニングメニューを組むことが必要となります。
by richelleantipolo
腰椎分離症
中学生のサッカー選手によく見られるケガとして、腰椎分離症というものがあります。
腰椎分離症とは、いわゆる「腰の疲労骨折」で、腰をひねったり反ったりする動きを頻繁に繰り返して腰を酷使した結果、痛みを発し出す症状です。特に腰を後ろに反らせたときに痛みが増します。
一般の人では5%程度しかみられない腰椎分離症ですが、スポーツ選手の場合はその6~8倍にあたる30~40%程度が患っていると言われています。
サッカーの場合は、ドリブルやシュート、ディフェンスの時に身体をひねったり、ヘディングやボールの競り合いで身体を反ったりといった動きが多いため、腰椎への負担が大きくなり、腰椎分離症となってしまうケースが少なくありません。
腰椎分離症の治療法
早期に発見できた場合は、コルセットを使って固定しながら安静に過ごし、自然に骨折が治るのを待ちます。当院では超音波やTENS治療などで骨折の治癒を早めたりしています。
腰には常に負担がかかるため、3ヶ月ほどはかかると考えておきましょう。一方、症状の発見や処置が遅れ、腰椎が完全に分離してしまい、骨がくっつく(癒合する)見込みが無い場合には、痛みと相談しながら時間をかけてピッチに戻れるようにしていきます。
この時に無理をしてしまうと、大人になってからも腰の痛みで何度も悩まされることになってしまったり、分離すべり症へと進行してしまったりすることになるため、注意が必要です。
一流プレイヤーに学ぶ!ケガを予防する●●●チェック
愛知のサッカートレーナー、高浜市の接骨院「ひえだ接骨院」の院長、石川です。
サッカーにはケガがつきものですが、一流と呼ばれるプレイヤーほどケガをにしくいと言われています。
それはなぜでしょうか?
一つは体幹トレーニングなどにより身体の土台をしっかり作っているからです。そしてもう一つは、自分のコンディション(心身の状態・調子)を高いレベルで常に管理しているからです。
サッカースタジアム
by Marco [mach-ms]
では、コンディションを管理していくためには、何をすれば良いのでしょうか?
これには日頃のセルフチェックが欠かせません。
例えば、
試合や練習後に、以下のような質問を自問自答します。
・脚の疲れや筋肉の張りがいつもより強いか?(筋疲労)
・痛めている膝や足首の状態はどうか?(ケガ)
・めまいや吐き気、寒気などは無いか?(体調)
その後、
「なぜいつもより足が疲れているのか?」と原因を探り、
↓
「どう改善した方が良いのか?」と解決策を自ら考え、
↓
「いつもより入念にクールダウンやストレッチをし、早めに寝る」という行動をとる
といった一連のプロセスを自ら行なっていく習慣を作ることがとても大切です。
また、セルフチェックの項目としては他にも
・体重
・食事の量
・心拍数
・寝付きの良さ
などがあげられます。
こうしたセルフチェックを常日頃から行うことで、自分の身体の細かい変化に敏感になり、痛みや違和感を覚えたときは早め早めに専門家の指示を仰ぐことで、症状の悪化や慢性化を防ぎ、コンディションを維持することができるのです
時には痛みを我慢してでもプレーする忍耐強さが求められることもありますが、選手として活躍し続けるためには、こうした日々の細やかなコンディション管理能力の方が、長い目で見ると大きな力となってくれることでしょう
少年サッカー選手のためのスパイクの選び方ー後編
高浜市の接骨院の院長であり、愛知のサッカートレーナーでもある石川です。
スパイク選びのポイントについて、前回は足の形と大きさについてご紹介しました。続く今回は、スパイクの種類についてです。
少年サッカーのスパイク選び
by potomacu11soccer
皮革の種類
サッカーのスパイクの革には大きく分けて、カンガルーや牛などの天然皮革と、科学的に作られた人工皮革の2種類があります。
天然皮革の中でも最上級と言われるのがカンガルーレザーです。その分金額は高くなりますが、厚さが薄いためボールコントロールがしやすかったり、しなやかで皮の伸びも早いため、短期間で足に馴染むようになります。
天然皮革の場合はこのように、使ううちに自然と皮が伸びていくため、購入前の試し履きの時点では少し窮屈なくらいで十分です。
逆に試し履きの時点でゆとりがあると、履くうちに皮が伸びて靴の中に余計なスペースが生まれ、ケガやパフォーマンスの低下に繋がりやすくなります。
一方、人工皮革は雨に強く耐久性にも優れ、お手入れが簡単という特長があります。ただし皮は伸びないため、購入時からジャストフィットするものを選ぶことが大切です。
固定式・取替式
サッカーをするグラウンドが芝なのか土なのか、天然芝なのか人工芝なのか、雨天なのかそうでないのかによって、最適なスパイクは異なってきます。
ヨーロッパサッカーなどをテレビでよく見ている子どもほど、選手たちが取り替え式のスタッドを備えたスパイクを使用していることが多いため、その方がカッコいいと捉えがちですが、
ヨーロッパと異なり日本の学校は硬い土のグラウンドが多いため、基本的には固定式のスパイクを選ぶようにしましょう。
また、取り替え式のスパイクはスタッドの本数が少なかったり、金属でできていたりするため、足腰への負担が大きいという意味からも、成長年代の子どもの使用にはあまりお勧めしません。
いずれにしても、今ではスパイクにも様々な種類があり、選ぶ際のポイントも多岐にわたるため、できれば知識の豊富な専門店のスタッフなどに相談しながら自分の足にあったスパイクを選ぶようにすると良いでしょう。
また、スパイクの使用は予想以上に足腰への負担が大きいため、練習後に足裏に痛みを覚えたり、なかなか脚の疲れが取れないような場合には、オーダーメイドのインソール(中敷)を作製することで、こうした負荷を減らし、ケガや障害の予防を行なうことができます。
少年サッカー選手のためのスパイクの選び方-前編
高浜市で接骨院も経営する愛知のサッカートレーナー、石川です。
以前、外反母趾の予防のために正しいスパイク選びが大切です、というお話はしました。
・外反母趾の治療と予防 >
・足腰の痛みの隠れた原因とは? >
今回はそのスパイク選びについてもう少し詳しくご説明します。
「たかがスパイク、されどスパイク」
サッカーのスパイク
by TheBusyBrain
特に少年期などは、憧れの選手が使用しているから、という理由だけでスパイクを買ってしまったり、親御さんの懐事情から安価なスパイクを選んで買ってしまっている場合が多くあります。
けれど、スパイクの選び方一つで、プレーのパフォーマンスはもちろん、ケガの発症率も大きく異なってきます。
とは言え、トップクラスのプロサッカー選手たちのように、自分の足に合わせてオーダーメイドシューズを作ってもらうことは現実的ではありませんし、何足もスパイクを買い揃えることも経済的に難しいでしょう。
では、こうした制約がある中で、いかに自分に合ったスパイクを選んでいけば良いのでしょう?
足の形
まず大切なのは、自分の足の形に合ったスパイクを選ぶことです。
人の足の形は、親指が一番長いエジプト型、人差し指が親指よりも長いギリシア型、そして指の長さがほぼ同じスクウェア型の3種類に大きく分かれます。一方で、市販されている靴の多くはギリシア型をベースに作られています。
ですから、外反母趾などを予防するためにも、まずは自分の足の形を知り、スパイクの形状が同タイプのものなのか確認するようにしましょう。
足の大きさ
次に大切なのが、スパイクの大きさです。
特に少年サッカーの場合、成長することを見越して、大きめのスパイクを選んでしまうことがあります。ですが、ブカブカのスパイクは地面をグリップする力が落ちパフォーマンスが低下してしまうだけでなく、靴擦れを起こしたり、バランスをとれずに足首をひねったりすることに繋がります。
ケガをして治療が必要になったり、プレー出来ない期間が続いたり、ケガが癖になってしまうようなリスクと比較すれば、足の成長に合わせてスパイクも買い替えた方がメリットは大きくなるはずです。
また、オーダーメイドのインソールを作製すれば、より自分の足にフィットするため、パフォーマンスを上げやすくなることはもちろん、足首や膝、腰への負担が軽減されたり、外反母趾を予防できたりします。