ストライカー大国が大切にしているストライカー養成に必要な3つのこと
愛知県の日体協AT、サッカートレーナーの石川です。
(高浜市のひえだ接骨院)
前回、日本の男子サッカー界が最も力を入れなければならない点として、
「決定力」のアップについてお話しました。
続く今回は、その鍵となるストライカーの育成法についてです。
Lionel Messi Poster for Copa America – Buenos Aires – Argentinaby Adam Jones, Ph.D. – Global Photo Archive
ストライカー大国と言えば、ラテン系の選手たちが有名です。
メッシ選手やテベス選手を始め、欧州4大リーグの得点ランキングトップ5には、アルゼンチン選手が7人も入っています。
また、前回のブラジルワールドカップでは、コロンビアのロドリゲス選手が得点王になり、スペイン代表ではビジャ選手やトーレス選手など世界でも屈指のFWが6人も選出されました。
なぜ、ラテン系に国々ではこれほど優秀なストライカーを輩出できるのでしょうか?
バルセロナの育成年代コーチを務めた坪井氏はその大きな違いを3つ挙げています。
(『サッカーの新しい教科書』著者)
1. メンタリティー
年齢やカテゴリーに関わらず、毎年結果を出し続けなければ、居場所がすぐになくなってしまう、という激しい競争環境
2. ゴールを決める型
スピードを活かしてスルーパスで抜け出して点を取ったり、体格を活かしてヘディングでゴールを量産したり、などなど自分の得意な型、絶対の自信を持てる型を持つこと
3. ジュニア年代からの実践的な練習
マークの外し方、DFの背後への抜け出し方、GKとの駆け引きの仕方などを、低年齢から丁寧に教えること
また、『アルゼンチン流ストライカー育成メソッド』の著者であるボカジャパンのカルロス氏は、
4. 選手一人一人の独自の個性や資質を最大限に伸ばすこと
それを目標に、それを忠実に行っているのがアルゼンチンサッカーだ、と説明しています。
これらのことを考えると
①ゴールや勝つことへのストイックさを育む環境づくり
(ゆとり教育ではなく、スポーツにおける厳しい競争環境を身を以て体験させる。)
②エゴイスト的な要素を含め、選手の個性や資質を尊重する環境づくり
(最低限のチームの決まり事は守りつつも、出来る限り自由にプレーさせ、個性や能力を伸ばす。)
③
選手に素質に応じた、ゴールの決めパターンを作る手伝い
(個々の選手の長所を活かせ、似たようなプレースタイルで成功しているトップ選手たちから学べる機会を作る。その決めパターンの実践的な練習を集中的に行い、体が無意識に動くレベルまでトレーニングする。どれか1つは「これなら絶対に点が取れる」と思えるようになるまで自信を育む。)
積極的にストライカーを養成するためには、これら3つを大切にしていく必要がありそうです。
追伸:
より具体的なトレーニングの内容については以下のような文献も参考になると思います。
https://repository.tku.ac.jp/dspace/bitstream/11150/536/1/jinbun130-11.pdf