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W杯優勝を果たしたドイツの強さの秘密と日本サッカーの課題 その2
日体協公認のサッカートレーナー、高浜市のひえだ接骨院 院長の石川です。
南米開催のW杯で史上初となるヨーロッパ勢の優勝。ドイツ代表としては、24年ぶりのW杯優勝。2006年のW杯ドイツ大会では3位、2008年のEUROでも2位、とあと一歩のところで苦汁を味わってきたドイツにとって、悲願のNo.1獲得でした。
by Anas Alsaidy
今大会の各国のサッカーの特徴と、ドイツの特徴
前回の優勝国、スペインのパスサッカーに対抗すべく、今大会ではパスカットからのスピーディーなカウンターにより得点を狙うチームが多かったように感じます。
そして、その際に重要になるのが「攻守の切り替えスピード」!
全力疾走に違いスピードでピッチを駆け巡り、しかもそれを試合終了まで高いレベルで維持しなければなりません。
さらに、ワールドカップのような大きな大会の場合、毎試合が非常にタフな戦いであり、スケジュールも過密なため、選手にかかる負担は非常に大きなものとなります。
そんな過酷な条件の中、準決勝のブラジル戦でも、そして決勝のアルゼンチン戦でも、ドイツ代表は見事なまでの身体のキレを披露し、最後まで高いパフォーマンスを発揮していました。
なぜそんなことができたのでしょうか?
一方、振り返ってみると、我らが日本代表は、W杯本戦での戦いぶりを見ると、あまりキレが無く、途中で足が止まってしまっている選手も見受けられました。
なぜ日本代表が実力を発揮できなかったのか?
大会前に代表選手たちのフィジカルをさらに上げ、良いコンディションを維持し、そして試合で最大限のパフォーマンスを発揮できるようウォームアップする。そんな大切な役割を担うのが、フィジカルコーチです。
今大会では、近年急成長を遂げベスト16入りの常連国となったアメリカ代表のフィジカルコーチを務め、前回大会では、3位となったドイツ代表のフィジカルコーチも務めた日本人、咲花正弥さん(アスリーツ・パフォーマンス所属:米国)。
そんな咲花さんが語った言葉の裏に、ドイツ代表の強さの秘密と、自分たちのサッカーができなかった日本代表の敗因が見え隠れしているようでした。
「ドイツ代表のようにトーナメントを通じて5試合、6試合を戦い抜くための準備方法と、初戦を落としたら全てが終わってしまうアメリカのようなレベルの準備の仕方は明らかに違う」
平成26年度第一回女子東海トレセン帯同
土曜の午後からU-15女子東海トレセン帯同のため、
清水ナショナルトレーニングセンターに行ってきました。
当日の朝、ワールドカップの試合を2試合見てしまい僕のコンディションは下降気味・・・。
それでも毎回集まる選手の成長が楽しみで、眠気に負けず走っていきました。
気温はそれほど高くないものの天候は今にも崩れそうな空模様でした。
今回も東海4県から沢山の選手が参加し2日間のトレーニングに励みます。
この2日間は守備に関するトレーニングが中心。
担当コーチの話を熱心に聴きトレーニングに取り組んでいました。
夜には毎回恒例のレクチャータイム。
今回はなでしこビジョンの説明と体幹トレーニングの実技指導。
選手たちはなでしこビジョンを聞き、自分が将来目指していく過程が理解できたと思います。
この年代の子供たちが、東京オリンピック開催時に活躍する世代となります。
今回宿泊したナショナルトレーニングセンターもワールドカップで盛り上がってました。
2日目のトレーニングの始まりです。
この日は午前、午後の2部練習です。
まずは昨日レクチャーで学習した体幹トレーニングから。
その後ボールを使ったトレーニング。
午前は昨日の守備の練習にボールの奪い方をプラスして実戦に近い感じの内容でした。
午後からは軽く体を動かした後から、ゲーム形式のトレーニング。
4チームに分けて3本行いました。
ゲーム形式のトレーニングが終わり、今回のトレセンは終了しました。
慣れない環境の中、短期間でたくさんのことを学んだ選手は大変だったと思います。
しかし今回はケガした選手が多かったです。
東コートと西コートの間は、少し離れているのですが何往復もしました。
そのせいか今日は足が張り気味です。
足関節捻挫や膝関節捻挫、肉離れ、腰痛の悪化や鼻血などなど。
こんなに1度のトレセンで怪我が出たのは初めてです。
次回は夏本番の9月開催!!
ケガ人もですが、熱中症などのコンディショニングにも注意が必要な第2回となりそうです。
ネイマールが教えてくれた、なぜ日本代表は実力を発揮できなかったのか?
日体協公認のサッカートレーナー、高浜市の接骨院、院長の石川です。
敗戦後、日本代表の選手たちが口々に言った言葉が印象的でした。
「自分たちのサッカーが出来なかった」
この言葉の裏に、今回の日本代表が抱えていた問題が浮き彫りになっているような気がします。
日本代表の選手の中には、ヨーロッパのチームで活躍する選手が13人も所属しています!!しかも、長友選手はインテルでキャプテンマークを巻くこともあり、本田選手はミランの10番を背負い、香川選手はマンUに鳴り物入りで入団しました。
つまり、世界から認められる程、日本のサッカー水準、特に技術面は向上しているのです。
にも関わらず、結果を出せなかった本大会。
その原因は大きく2つ考えられます。
ネイマールが見せた、日本代表選手との違い
by calciostreaming
ブラジルVSチリの決勝トーナメント1回戦はPK戦までもつれ込みました。
そしてそのPK戦も、4人目のキッカーが蹴り終えた時点でチリが追いつき、次に蹴る先行のブラジル選手に試合の行方が大きくかかっていました。
ブラジル ○×○×
チリ ××○○
母国開催のW杯で、自分が外したら終わりのこの状況。どんなに強い心臓をもった選手であっても緊張を強いられる場面です。
あのイタリアの至宝 R・バッジョ選手が枠外へ外してしまったシーンを思い出した人も多かったと思います。
そんなとてつもないプレッシャーの中、キッカーとして歩み出たのは、ブラジルの10番、ネイマール選手でした。
実はネイマール選手は、延長戦後半に足をつってしまうほど疲労がたまっていました。こうした意味でも、会場全体が彼の一挙手一投足に注目しました。
通常のランから、小刻みに足を動かしてGKと駆け引きし、GKが先に動くのを見切った上でシュート。GOALLLLLLLLLL!!
試合後のインタビューでも
「子供の頃からの夢が実現しているから、プレッシャーなんて感じていない。」
「優勝しか見ていない。」
「PKは今でもいつも練習しているし、練習通りに蹴っただけだよ。」
と22歳のエースは語っていました。
ここに、日本サッカーがこれから取り組むべき、大きな課題が見て取れます。
つまり、「心技体」の「心」の強化です!!
海外より数十年遅れていると言われている、日本のスポーツ界におけるメンタルトレーニング。
西田文郎氏や高妻容一氏など、メンタルトレーナーによる指導が今こそ必要なのではないでしょうか?
快進撃を続けるコロンビア代表の強さの秘密 その2
日体協公認のサッカートレーナー、高浜市の接骨院、院長の石川です。
これまでコロンビアでサッカー選手と言えば・・・
アフロヘアーの10番、カルロス・バルデラマ選手を思い浮かべる方が多かったと思います。
バルデラマ選手は、南米年間最優秀選手賞を2度も獲得し、1990年から3大会連続でW杯本戦出場の原動力となったコロンビアの英雄です。
ですが、今大会をきっかけにまた一人スター選手が生まれそうです。
その2. 22歳のシンデレラボーイ、ハメス・ロドリゲス選手
by calciostreaming
バルデラマ選手の後継者として期待され、現代表で10番を背負う若き新星です。
彼は日本戦でもだめ押しの1点を奪いましたが、先日のウルグアイ戦でも完璧なボレーシュートと絶妙なポジショニングから2点目を奪い、4戦連続で5得点、と得点王ランキングで現在単独トップとなりました。
とは言え、そんなロドリゲス選手も、W杯の本大会が始まるまで、ここまで全世界から注目を浴びてはいませんでした。
なぜなら、代表でも所属チームでも一緒にプレーするエースストライカー、ラダメル・ファルカオ選手の存在があったからです。
ファルカオ選手は、生粋のゴールハンターとして高い決定力を持ち、所属チームのモナコでも、そしてコロンビア代表でも中心選手として活躍していました。
事実、ペケルマン監督は、南米予選の間、終始ファルカオ選手中心のチーム作りを進めてきました。ところが、ファルカオ選手は不運にも今年1月に「左膝前十字靭帯」を負傷し、ペケルマン監督も最後まで彼の復帰を待ち望んでいましたが、結局間に合わなかったのです。
そんな中、そのファルカオ選手の穴を埋めてもあり余るほどの活躍を見せているのが、これまで引き立て役に徹していた、このロドリゲス選手です。
フィジカルの強さやパスセンス、決定力の高さ、そして何より光るのが、ボールを受ける前のポジショニングです!!
特にウルグアイ戦の2得点は、味方がボールを獲ってから、常に周りを見渡して次の展開をイメージし、スペースへ動いてフリーな状態を作り、相手DFが詰めてくる前に、正確なコントロールでフィニッシュまでいっていました。まさしくお手本にしたいプレーです。
最後に、
ロドリゲス選手のように大舞台で活躍できるよう、怪我から早期に復帰されたい方は、高浜市のアスレチックトレーナー、ひえだ接骨院にご相談下さい。
日本代表を4-1で下したコロンビア代表の強さの秘密 その1
日体協公認AT、高浜市の接骨院、院長の石川です。
コロンビア代表、強かったですね。
南米の古豪ウルグアイ相手にも2-0。
次はブラジル戦ですが、面白い試合になりそうです。
さて、そんなコロンビア代表の強さの秘密について、少し見ていきたいと思います。
その1. リケルメやサビオラを育て上げた名将の力
by sirfrederickgol
アルゼンチン出身の指揮官、ホセ・ペケルマン監督。
彼は岡田監督の後任候補としても一時期名を連ねていた、日本とも縁のある方です。
そんなペケルマン監督の最も輝かしい功績と言えば・・・
1994年にアルゼンチンのユース代表監督に就任した際、リケルメ選手やサビオラ選手などを率いて、U-20のワールドカップで3度の優勝をもたらしたことでしょう。
A代表の選手たちと違い、ユース世代の監督には、まだ能力的にも人間的にも未完成な選手たちを育て上げる資質が求められます。そのため、個々の選手とのより親密な人間関係や、選手たちの中に眠る才能を見抜き開花させる能力が必要となってきます。
こうした点に関してもペケルマン監督は、貧しい家庭出身で当時まだ満足な食事をとれていなかったリケルメ選手のために、サッカー協会と掛け合い、代表の宿泊所で生活できるようにした、というようなエピソードがあるほど、選手たちに寄り添い、絶大な信頼を得ているのです!
また、今でこそ大躍進のコロンビア代表ですが、過去3大会は予選敗退。そして今回の南米予選でも、実は開幕戦3戦でわずか1勝と不振に喘いでいました。
そんな中、前監督が解任され、ペケルマン監督が新指揮官として抜擢されました。それ以来、コロンビア代表はまさに水を得た魚のように快進撃を始め、FIFAランキングでも35位から最高3位まで上昇しました。
その原動力としては、選手との強固な人間関係をベースに、FWのファルカオを中心としたチームへと作り替え、「チームが一丸となって中心選手をサポートする」シンプルで強力なルールを根付かせたことが非常に大きいと言えます。