年別アーカイブ:2014年
一流のサッカー選手になれる人となれない人のたった2つの違い ー前編
愛知のサッカートレーナー、高浜市の接骨院 院長でもある石川です。
先月、FIFAによる世界最優秀選手賞「バロンドール」の授賞式が行われたのは記憶に新しいと思います。
2013年は、2008年以来二度目の受賞となるポルトガル代表・レアル マドリード所属のクリスチアーノ・ロナウド選手でした。
ちなみに2009年~2012年の4年間はアルゼンチン代表・FCバルセロナ所属のリオネル・メッシ選手が連続受賞していました。
by JohnSeb
こうした世界最高のプレイヤーと称される選手たちと、プロサッカー選手に憧れながらも夢半ばで終わってしまう人の違いはいったいどこにあるのでしょうか?
やはり生まれ持った素質が大きいのでしょうか?
それとも他に何か特別なトレーニングをしてきたからなのでしょうか?
これに関して、実は非常に興味深いデータをFIFAの医学評価研究センターが発表しています。
一流のプロサッカー選手とそうでない人のたった2つの違い
違い1. サッカーを始めた年齢
「ゴールデンエイジ」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。初めて教えた動きや技でもスグに覚えてしまう、しかも大人になってもその動作を忘れない、そんな運動神経が著しく発達する時期のことを言います。
「ゴールデンエイジ」は一般的に10~12歳頃を指しますが、実はそれよりも幼い年齢の時から、できるだけ早く遊びの中でこの運動神経を身につけさせることがトップ選手を目指すためには重要だ、ということがわかったのです。
報告によると、トップ選手の多くが3~6歳の幼児期にサッカーを始めており、それ以後に始めた選手よりも特にボールコントロールが優れている、とされています。
実際、バロンドールのC.ロナウドは6歳から地元のクラブチームに通い始め、メッシも5歳から始めたと言われています。
近年は日本の子どもたちも、幼少期からサッカーを始め、若くして海外のビッククラブの下部組織と契約を果たし、活躍しているニュースを耳にする機会も増えてきました。
・中井卓大君:9歳でレアルの下部組織入団
・久保建英君:10歳でバルサの下部組織入団
・タルハニ存哉君:10歳でエスパニョールの下部組織入団
あと10年もすれば、日本人選手がバロンドールを受賞する姿も見れるかもしれませんね
サッカー好きの子供をケガから守る為にすべきこと
日体協公認AT資格を持つサッカートレーナー、高浜市の接骨院 院長でもある石川です。
小学生高学年から中学生年代の選手の場合、この時期特有の安全面における課題があります。
一つは、成長期の問題です。
この年代の子どもたちは、身長が急速に伸びるため、骨を支える筋肉の成長が追いつかず、身長が高く細身の選手ほどケガをしやすくなります。
そしてもう一つが、思春期の問題です。
親や周りの大人から自立するために反抗しやすくなったり、異性を気にして外見に気を使ったり、などと心理面も大きく変化します。
そのため、親や指導者、コーチなどが協力して
「なぜそれをする必要があるのか?しないとどうなるのか?」
「一流の選手や代表クラスの選手ほど、ケガの予防や体調管理、フェアプレイ精神の徹底をしている」
ことなどについて、子どもたちが理解出来るように説明を行ない、安全を守ってあげることが大切です。
by EaglebrookSchool
子どもをケガから守るために注意すべき3つのこと
1. すね当ての着用
時折「ダサイ」「面倒くさい」などの理由で練習中は使用せず、試合の時だけ出場するために渋々すね当てを着用する選手がいます。
ですが本来は、ルールで定められているからすね当てを着用するのではありません。すね当てを着けることで、接触プレーの衝撃を和らげ、大きなケガを予防することが目的です。
なぜすね当てを着けるのか、どんな効果があるのか、子どもにも理解出来るように説明してあげることが大切です。
2. 年齢に適したサイズの道具の使用
身体の成長を見越して大きめのサイズのスパイクを買ってしまうと、足や足首が不安定となり、余計なケガをしやすくなってしまいます。
確かにスパイクは消耗品ですが、子どもの将来のためにもケガの予防を第一に考え、適切なサイズや形のスパイクを選ぶようにしましょう。
オーダーメイドの足底板を作製することも一つの手です。
同様に、大人を憧れて大きめのボールでトレーニングを行なうと、ゴールキーパーの子どもなどは手首や指の関節を痛めたり骨折してしまったりするケースが多くなります。
また、大人はもとより年齢差のある子どもが一緒になってサッカーをする時は、幼い方の子どものゴールキーパーはシュート力が違うため、ケガをしやすくなるので注意が必要です。
3. 適度な休息・栄養補給とストレッチやクールダウン
一流選手ほどコンディション管理が優れているため、ケガをしにくいと言われています。
なぜ適度な休息やそれぞれの栄養素、頻繁な水分の摂取が必要なのか、何のために日頃からストレッチやクールダウンを行なうのか。
その必要性と背景を、子どもでも理解出来るように説明し、子ども自らが身体のケアを行なえるように導いてあげることが大切です。
シャルケの内田選手も悩まされた太ももの肉離れ
愛知のサッカートレーナー、高浜市の接骨院 院長でもある石川です。
ドイツのブンデスリーガシャルケ04に所属し、サッカー日本代表の右サイドバックとしても活躍している、ウッチーこと内田篤人選手。
by funky1opti
内田選手はクラブチームではなく清水東高校出身の高校サッカー上がりだけに、ケガに対してはこれまで強い精神力で対処し、指揮官も驚くほどの早期復帰を果たしてきました。
「俺とか、高校サッカーあがりだからさ、『骨折からがケガ。それより軽いのはケガじゃない』って言われてきたから」
と自身も語っているように、少々のケガであれば試合に出るのが当然、というメンタリティーだったのです。
そんな内田選手でしたが、2012-13シーズンに3度も同じ右足の太ももの裏を負傷・再発させてしまう経験をし、
「筋肉系のケガは、打撲のときとは治し方が違うんだよ。痛みが消えればいいんじゃなくて、ちゃんと筋力が戻ってOKってこと。よく、『ケガはしっかり治してから』とかいうじゃん? やっと意味がわかったね。休まなきゃダメなんだよ」
と、考えを改めさせられたと語っています。
そしてこの内田選手を悩ませたケガの正体こそ、太ももの肉離れです。
肉離れとは、急激なダッシュなどの動きにより筋肉に過度の負担がかかることで、筋肉がはがれてしまうことを言います。
肉離れの症状とは?
肉離れしやすい箇所としては、
・ふくらはぎの内側の筋肉(腓腹筋内側頭)
・太ももの裏側の筋肉(ハムストリング)
・太ももの表側の筋肉(大腿四頭筋)
・ 太ももの付け根の内側の筋肉(股関節の内転筋)
症状としては、
・筋肉がはがれた箇所の痛み
・運動中の痛み
・筋肉がはがれた箇所の陥没(触ってわかるケースもあります)
・受傷3日後程度から、皮膚の表面に内出血
・1週間程度、歩くのもままならない
などが見られます。
肉離れの治療法とは?
まずケガから48時間以内に関しては、患部の安静・アイシング・固定などのRICE処置と呼ばれる応急処置が有効です。
またしこりを感じる箇所に対しては、特殊な電気によって刺激を与える方法も使われます。ふくらはぎの場合は、テーピングによって足の関節を固定し、それ以上肉離れが進まないようにしていきます。
いずれにしても、内田選手が身をもって痛感したように、肉離れのような筋肉系のケガは再発リスクを減らすためにも、十分に休んで損傷部位を回復させた上で、安静期に衰えてしまった筋力を元に戻し、筋力バランスを整えることが非常に大切です。
ケガで泣かないために、サッカー選手がすべきこと
日体協公認ATの愛知のサッカートレーナー、高浜市の接骨院院長でもある石川です。
サッカー選手として海外からも熱い視線を浴びるほどありあまる才能を持っていたとしても、ケガにより思うように活躍できず、ケガに泣かされた悲劇のヒーローたちはこれまでもたくさんいます。
例えば、92年に名古屋グランパスに入団し、日本代表のFWとしても活躍した「レフティーモンスター」小倉隆史選手。小倉選手は右足の後十字靭帯を断裂した後、ケガを繰り返すようになってしまい、以前ほどの活躍ができなくなってしまいました。
他にも、幼少期から「天才」と呼ばれ、18歳でA代表デビューを果たした小野伸二選手は、左膝の靭帯断裂を経験しています。
あの中田英寿選手が「僕らの年代では一番うまい」と絶賛したU-17日本代表の10番、財前宣之選手は、左膝の前十字じん帯断裂後、サッカー人生が大きく変わってしまった一人でもあります。
by calciocatania
サッカーの場合は相手との接触プレーが多いため、100%ケガを防ぐことは不可能です。ですが、できる限りケガをしにくい身体作りを行い、持てる能力を発揮し続けられるようにしていきたいものです。
そこで重要となるのが以下の6つのポイントです。
1. 身体の柔軟性
身体が硬いとプレーの幅が狭まってしまうだけでなく、肉離れなどのケガにつながりやすくなります。特に股関節や足の関節、鼠径部(そけいぶ・太ももの付け根の辺り)を柔軟にするよう、日頃からストレッチを行うようにしましょう。
2. 筋力のバランス
左右の筋力や、太ももの前と後ろの筋力などがアンバランスだと、一方に過度の負担がかかりやすくなるため、ケガをしやすくなってしまいます。バランスよく鍛えていくことがケガの予防につながります。
3. 体幹の強さ
体幹の筋力が弱いと軸がぶれやすいため、タックル等を受けた際に大きくバランスを崩す原因となります。深部にあるインナーマッスルを鍛えることで、体の幹を強靭にし、ぶれにくい身体を作っていきましょう。
4. 持久力
サッカーのケガが多くなる時間帯は、試合終了の10分から15分前と言われています。トレーニングによって持久力をつけることで、ケガをしにくい身体にしていくことが大切です。
5. サッカーの技術
サッカーの技術が未熟な選手ほど受傷率が高いと言われています。高い技術力を身につけることで、ファウルを回避できるようになりましょう。
6. リハビリ
FIFAの医学評価研究センターの調査によると、足関節の捻挫をした選手の約半数が、同じシーズンの間に同様の捻挫を繰り返していることが多いそうです。
復帰を焦るあまりリハビリが不十分な状態で試合に出るのではなく、専門家と相談しながら徐々に身体をならしていき、適切なタイミングで復帰を果たすようにしましょう。
中学生サッカー選手によくある腰痛(疲労骨折)の 原因・症状・対処法
愛知のサッカートレーナー 兼 高浜市の接骨院 院長の石川です。
サッカーに関わらず、スポーツ選手にとってコンディショニングの維持・管理は大切な能力の一つです。
大事な試合で最高のパフォーマンスを発揮するためにも、日頃の生活から体調を整えることはもちろん、トレーニングや適切な食事・休息によって、ケガをしない体づくりをしていくことが重要です。
また、ケガをした時の向き合い方も大切です。復帰を焦るあまり、痛みをこらえて騙し騙し練習をしていても、技術の向上が望めないばかりか、ケガが再発するリスクや身体の他部位に過度の負担がかかりケガをしてしまうこともあります。
ですから、時には思い切って休んだり、ケガの部位を使用しないトレーニングメニューを組むことが必要となります。
by richelleantipolo
腰椎分離症
中学生のサッカー選手によく見られるケガとして、腰椎分離症というものがあります。
腰椎分離症とは、いわゆる「腰の疲労骨折」で、腰をひねったり反ったりする動きを頻繁に繰り返して腰を酷使した結果、痛みを発し出す症状です。特に腰を後ろに反らせたときに痛みが増します。
一般の人では5%程度しかみられない腰椎分離症ですが、スポーツ選手の場合はその6~8倍にあたる30~40%程度が患っていると言われています。
サッカーの場合は、ドリブルやシュート、ディフェンスの時に身体をひねったり、ヘディングやボールの競り合いで身体を反ったりといった動きが多いため、腰椎への負担が大きくなり、腰椎分離症となってしまうケースが少なくありません。
腰椎分離症の治療法
早期に発見できた場合は、コルセットを使って固定しながら安静に過ごし、自然に骨折が治るのを待ちます。当院では超音波やTENS治療などで骨折の治癒を早めたりしています。
腰には常に負担がかかるため、3ヶ月ほどはかかると考えておきましょう。一方、症状の発見や処置が遅れ、腰椎が完全に分離してしまい、骨がくっつく(癒合する)見込みが無い場合には、痛みと相談しながら時間をかけてピッチに戻れるようにしていきます。
この時に無理をしてしまうと、大人になってからも腰の痛みで何度も悩まされることになってしまったり、分離すべり症へと進行してしまったりすることになるため、注意が必要です。