年別アーカイブ:2014年
ヒディング監督の右腕が教える勝ち続けるための身体の作り方
高浜市の接骨院 院長、日体協公認ATのサッカートレーナー、石川です。
今年のW杯ブラジル大会終了後に、あの名将ヒディング監督が再びオランダ代表監督に就任するそうです ヒディング監督と言えば、
by InSapphoWeTrust
1998年 オランダ代表監督としてフランスW杯で4位入賞
2002年 韓国代表監督として日韓W杯で4位入賞
2008年 ロシア代表監督としてEUROでベスト4進出
と、主な戦績だけを挙げてもその智将ぶりは誰もが感じるところではないでしょうか?
そして、そんなヒディング監督の右腕として活躍していたのが、コンディショニングコーチのレイモンド・フェルハイエン氏です。
従来の日本式トレーニングは誤っていた!?
例えばこれまで日本では、サッカーに必要な持久力をつける、という名目で10km、20kmを走り込む持久走トレーニングをしてきました。
同様に、1日2回の練習や、週に6回の練習など、トレーニングの「量」によって身体を強化しようとしてきました。
ですが、こうした日本式のトレーニングは誤りである、とレイモンド氏は警告します。
一定のスピードで走り続ける持久走方式では、サッカーに必要な爆発的な筋力・速筋が鍛えられず、逆に遅筋が必要以上についてしまいかねないからです。
また、トレーニング量が多過ぎると、疲労を回復できずにケガをしやすくなるばかりか、100%の力を発揮できない状態でのトレーニングとなってしまうため、過負荷をかけてさらに上のレベルへと身体を向上させることが難しいからです。
最後までプレーのスピードや質が落ちなくなる!? レイモンド式トレーニングとは?
サッカーの場合、マラソンのような持久力ではなく、爆発的で質の高いプレーを試合終了まで何度も繰り返しできる力が必要とされます。そのため、より短時間で回復できる身体を作ることが重要となります。
では、どうすればそんな身体を作ることができるのでしょうか?
1. トレーニングの量や回数ではなく、強度やスピードを上げる
2. 過負荷をかける
3. しっかりと回復のための休息を取る
これらを計画的に行なうことが非常に大切です。より具体的なトレーニング方法などについては、こちらをご参照下さい>
なでしこのフィジカルコーチが教える日本人サッカー選手が世界で活躍するために必要な能力とは?
高浜市の接骨院 院長であり、愛知のサッカートレーナー(日体協AT)でもある石川です。
なでしこの選手たちがなぜ体格に勝る世界の強豪たちを相手に、輝かしい結果を勝ち取ることができているのか。その要因として、正確な技術、予測力と予備動作、ぶれない安定力がある、というお話を前回しました。
加えて今回は、体力測定の結果から具体的に何がどう海外の選手たちと違うのか、という点を早大の広瀬准教授のレポートからご紹介します。
by mole555
4. 最後まで走り切れる持久力
サッカーでは1試合につき10km以上走る持久力が要求されます。しかも単に一定速度で10km走り切るのではなく、急激なダッシュとダウンの繰り返しであり、ダッシュ時にスピードが落ちないことが求められます。
■ なでしこ選手と海外選手の結果
なでしこの選手たちは高い強度の運度を繰り返すスピード持久力は課題であるものの、試合終了まで走り切る基礎的な持久力は高いことがわかります。
5. 相手を翻弄するアジリティー(俊敏性)
なでしこジャパンの選手たちと、国内の各年代の代表選手たちを比較すると、10m×5本のアジリティーと呼ばれるカテゴリーで顕著な差が見られることがわかりました。
実はこのアジリティーの高さが、世界で戦う日本人選手の大きな武器だと言われています。
スピードの急激な緩急や切り返し時の安定性を武器に、DFを手玉にとるマンUの香川選手や、後方から一気に駆け上がり相手選手を置き去りにするインテルの長友選手など、女子選手だけでなく男子選手においても、日本人選手のストロングポイントなのです。
将来、世界で活躍するサッカー選手を目指している方は、是非これらを参考にトレーニングしていくと良いでしょう。
なでしこのフィジカルコーチが教える「なでしこジャパンの強さの秘密」とは?
高浜市の接骨院 院長、日体協公認ATのサッカートレーナー、石川です。
なでしこジャパンと言えば、近年の大活躍には目を見張るものがありますよね
・2011年 ワールドカップドイツ大会 優勝
・2011年 FIFA女子年間最優秀監督賞(佐々木監督)、最優秀選手賞(澤選手)受賞
・2012年 ロンドンオリンピック 銀メダル
最たる主なものだけでもこれほど輝かしい成績を残していることは、記憶に新しいでしょう
by mole555
そんな「なでしこジャパン」の活躍をサポートしている方の一人が、フィジカルコーチを務められている、早稲田の広瀬統一准教授です。
日本人は白人や黒人に比べて体格に劣っているため、パワープレーで戦っても勝ち目はありません。また、南米人や黒人のような独特のリズムによるドリブル力も持ち合わせていません。ではどうやってその不利な状況を覆してきたのでしょうか?
なでしこジャパンの強さの秘密、5つの要因とは?
一言で表すと「速いパスサッカー」です。ですが、その言葉の裏には様々な要素が隠れています。今回はその一部をご紹介します。
1. 正確な技術
なでしこの特徴的なプレーの一つがワンタッチプレーです。当然ですが、ダイレクトでパスをつなぐ為には正確なキックが必要不可欠です。特に女子は筋力が弱い分、しっかりと足の芯でボールを捉えなければ、ロングキックや速いシュートも難しくなります。
2. 予測力と予備動作
同様に、なでしこのパスワークは短い距離でスピーディーにテンポ良く行なわれます。長い浮き球だと体格で負ける海外の選手に奪われやすいからです。その分、選手はお互いに次のプレーのイメージを共有し、事前に相手選手との駆け引きで抜け出す必要があります。
3. ぶれない安定力
パスサッカーと言えども、球際ではフィジカルコンタクトが避けられません。そんな場合でも、重心を支える腰回りや体幹の筋力を鍛え、腰を落として背筋を伸ばした安定姿勢を取れれば、大きな選手にも負けません。
そして、あと2つ。続きは次回。
ケガを3割減らし、パフォーマンスUPもできるFIFA推奨の「The11+(イレブンプラス)」とは
高浜市の接骨院 院長であり、愛知のサッカートレーナー(日体協AT)でもある石川です。
FIFA傘下のF-MARCと呼ばれる組織が作成した「The11+(イレブンプラス)」と呼ばれるケガの予防プログラムがあります。
by Albumen
育成年代の日本人サッカー選手男女484名を対象とした研究によると、The11+を導入後、筋肉痛や非接触型の足関節捻挫を始めとした下肢の傷害発生率が約29%減少された という報告がなされています。(詳しくはこちら>)
さらにケガの予防だけではなく、The11+を6ヶ月間週に1-2回行なった結果、ターンのスピードやバランス能力も有意に向上していた とする報告も出ています。(詳しくはこちら>)
それほど効果の期待される「The11+」とは何なのでしょうか?
FIFAが推奨する「The11+(イレブンプラス)」とは?
サッカー選手のために作られたケガの予防プログラムで、特別な器具などを使わずに身体の強化をできるシンプルなトレーニングメソッドです。
以下のような3つのパートで構成されています。
1. ウォーミングアップと柔軟性の向上
2. レベルごとの筋力や瞬発力、バランス力の強化
3. スピードや機敏性などの強化
具体的なトレーニング方法については、日本サッカー協会のホームページに動画などで掲載されていますので、そちらをご覧下さい
もちろん私も帯同しているトレセンなどでは行なっていますが、まだまだ地域の学校やクラブチームレベルでは導入されていないところも多いと思います。
ですが、ケガの予防と同時に、パフォーマンスの向上も見込めるため、たとえチーム単位での導入が難しかったとしても、個人レベルで積極的に日々のトレーニングに組み込んでいくことをお勧めします
女子サッカー選手が特に注意したい膝のケガとは?
高浜市の接骨院 院長、日体協公認ATのサッカートレーナー、石川です。
先日ポルトガルで行なわれた「アルガルベ杯2014」でなでしこジャパンが準優勝を果たしました
選手のみなさん、おめでとうございますそして激闘お疲れ様でした。優勝を逃したとは言え、日本の女子サッカーの強さは本当に誇りに思います
by mole555
ところで、そのなでしこのエース川澄奈穂美選手(米国・シアトル・レインFC所属)や、大儀見優季選手(英国・チェルシーLFC所属)を含め、なでしこジャパンに所属する選手の約3分の1が過去に経験したケガがあります。
それが、膝の前十字靭帯損傷(ACL)です
この前十字靭帯損傷はサッカーでは起こりやすいケガの一つですが、一度靭帯が損傷すると、たとえ復帰できたとしても膝の不安定感が残りやすく、その後のプレーに大きな影響を与えかねないため、注意が必要なケガでもあります。
前十字靭帯損傷の原因
ケガをする直接的な原因は大きく分けて2つです。1つは接触プレー、もう一つはジャンプの着地時に膝をひねったり、急なターンなどによって損傷する自損です。
ですが、実はこうした直接的な要因に加えて、女子サッカー選手の場合、身体の構造的にも膝のケガをしやすい、と言われています。
つまり、女性の方が出産の関係で骨盤が広いため、X脚の人が多く、プレーの際に膝が内側に入ってしまいやすいため、膝の靭帯がねじれて傷つきやすいのです。
前十字靭帯損傷の症状と応急処置・リハビリ
ケガをした直後は強い痛みのために、通常はプレーができなくなります。さらに徐々に内出血による腫れがひどくなり痛みも悪化するため、できるだけ早くケガの部位を安静にし、アイシングにより炎症を抑えることが大切です。
その後は、速やかに病院を受診し、正しい診断を受けるようにしましょう
また、リハビリにより膝の関節の可動範囲を徐々に取り戻すことと、筋力が低下してしまうことを防ぐために適切な筋力トレーニングを行なっていくことが、スポーツ復帰のためには大切となります。
高浜市や碧南市、知立市などの三河地域で、サッカーのケガからの復帰を目指している方は高浜市の接骨院、ひえだ接骨院までご相談下さい。