サッカーの練習前によく見かける「ブラジル体操」の意味と効果
愛知県のサッカートレーナー、日体協公認ATの石川です。
サッカーの練習前の準備運動と言えば「ブラジル体操(ブラ体)」が有名ですよね。Jリーグや代表でもやっているのを良くTVで見かけるため、何となく良さそうだということは感じていると思います。
ですが、実際どんな意味や効果があるのかを、深く考えたことのある人は、意外と少ないのではないでしょうか?
ブラジル体操の意味と効果
ブラジル体操は専門用語で言うと「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」と呼ばれるものに属します。身体の各部位をリズミカルに動かして、軽い負荷をかけていくストレッチということです。
こうした動的ストレッチの主な目的は
①筋肉や関節、心臓(循環器系)に「これから激しい運動を開始するよ」と言う合図を軽い負荷の運動で伝えることで、身体を動きやすくすること(身体の各組織を「休み」モードから「興奮」モードにシフトさせる「準備」運動の意味合いです)
②身体を温めて筋肉を緩め、ケガをしにくくすること(英語では「Warming-up」とも言いますよね)
の2点です。
実際、多数の医学的研究により、
①練習前に行うことで競技パフォーマンスが向上する
②ケガの発生を抑えることができる
ことが認められています。
例えば、ノルウェーのユース女子サッカー選手1,892名を対象に、FIFAの推奨する「11+」(動的ストレッチを含むエクササイズ)を行うグループと行わないグループに分けて経過観察をした研究があります。
結果、1シーズンあたりのケガの発生率は、「11+」を行わないグループに比べて1/3だったことが報告されています。
他にも、ブラジル体操の場合は、
・その日の自分のコンディションを確認できる
・チームとしてのまとまりが出て、モチベーションを上げられる
・集中力を高めることができる
・リズム感がよくなる
などの効果も期待できます。
追伸:
11月より本格的にスポーツ専門外来を開始しました。ブラジル体操のような動的ストレッチ要素の強い新しいトレーニングマシン
「Hogrel(ホグレル)」
も導入していますので、是非体感して見て下さい。