月別アーカイブ:2014年11月
スポーツ前の静的ストレッチは逆効果?!
日体協公認アスレチックトレーナー、高浜のひえだ接骨院 院長の石川です。
前回は、軽い負荷で各部位を動かしながら身体を温めほぐしていく「ブラジル体操(動的ストレッチ)」について紹介しました。
この動的ストレッチは、
①練習前に行うことで競技パフォーマンスが向上する
②ケガの発生を抑えることができる
という効果を期待できることがわかっています。
続く今回は、アキレス腱伸ばしのように、筋肉や関節を伸ばしたところで数秒~数十秒静止する「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」についてです。
by quillons
多くの選手たちは、先ほどの動的ストレッチと同じような効果を期待して、運動前にも行っていると思います。
ですが近年、
この静的ストレッチを運動前に行うと、逆に瞬発力が落ちてしまったり、ケガをしやすくなってしまったりする、
ということが言われているのです。
(慢性的に筋肉が緊張している人や故障中の人は除く)
例えば、欧州スポーツ医学会はストレッチに関して
「最大筋力を測る実験では、静的ストレッチがパフォーマンス低下につながる可能性のある固い証拠が見つかっている」
という公式見解を発表しています。
また、トライアスロンのコーチであるホリー・ケニー氏は
「筋肉が温まる前のストレッチは、故障のリスクが高まる」
と指摘しています。
(さらに詳細については、こちらのブログで細かく紹介されています>)
なぜでしょうか?
その理由は、静的ストレッチでは身体全体が休みモードから抜け出せず、体温も上昇しないために十分に柔らかくならないからでしょう。
ですから、運動をする前はFIFAの「11+」やブラジル体操のような動的ストレッチ中心のウォーミングアップを行い、身体を温め目覚めさせるようにしましょう。
一方で、いわゆる「ストレッチ」である静的ストレッチは、運動後のクールダウン後や、お風呂上がりなどに行うことで柔軟性を維持向上させたり、老廃物の排出を促して回復を早めたりする効果を期待することができます。
追伸:
当院では11月より新しいスポーツ専門外来が本格始動しました。
目玉商品の一つである動的ストレッチマシン「Hogrel(ホグレル)」は、96%以上の人で柔軟性の改善が見られた最新のトレーニングマシンです。
筋トレをしているのになかなかパフォーマンスがあがらないような方や、ケガの予防をしたい方は是非お試し下さい。
サッカーの練習前によく見かける「ブラジル体操」の意味と効果
愛知県のサッカートレーナー、日体協公認ATの石川です。
サッカーの練習前の準備運動と言えば「ブラジル体操(ブラ体)」が有名ですよね。Jリーグや代表でもやっているのを良くTVで見かけるため、何となく良さそうだということは感じていると思います。
ですが、実際どんな意味や効果があるのかを、深く考えたことのある人は、意外と少ないのではないでしょうか?
ブラジル体操の意味と効果
ブラジル体操は専門用語で言うと「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」と呼ばれるものに属します。身体の各部位をリズミカルに動かして、軽い負荷をかけていくストレッチということです。
こうした動的ストレッチの主な目的は
①筋肉や関節、心臓(循環器系)に「これから激しい運動を開始するよ」と言う合図を軽い負荷の運動で伝えることで、身体を動きやすくすること(身体の各組織を「休み」モードから「興奮」モードにシフトさせる「準備」運動の意味合いです)
②身体を温めて筋肉を緩め、ケガをしにくくすること(英語では「Warming-up」とも言いますよね)
の2点です。
実際、多数の医学的研究により、
①練習前に行うことで競技パフォーマンスが向上する
②ケガの発生を抑えることができる
ことが認められています。
例えば、ノルウェーのユース女子サッカー選手1,892名を対象に、FIFAの推奨する「11+」(動的ストレッチを含むエクササイズ)を行うグループと行わないグループに分けて経過観察をした研究があります。
結果、1シーズンあたりのケガの発生率は、「11+」を行わないグループに比べて1/3だったことが報告されています。
他にも、ブラジル体操の場合は、
・その日の自分のコンディションを確認できる
・チームとしてのまとまりが出て、モチベーションを上げられる
・集中力を高めることができる
・リズム感がよくなる
などの効果も期待できます。
追伸:
11月より本格的にスポーツ専門外来を開始しました。ブラジル体操のような動的ストレッチ要素の強い新しいトレーニングマシン
「Hogrel(ホグレル)」
も導入していますので、是非体感して見て下さい。
連休もサッカー三昧
世間では秋の三連休にあたる11月1日から~3日まで、
ヤマハリゾートつま恋で開催されたU-15女子東海トレセン対抗戦(11/1~2)、
U-12女子東海トレセン(11/2~3)にトレーナー帯同していました。
連休ということもあり渋滞にはまるのが一番怖かったのですが、
思っていたより大きな渋滞はなく意外とスムーズに着きました。
この日は出発の時点から雨。
分かってはいたものの現地についても雨。
雨の中での帯同は大変です。
しかし私よりもプレーしている選手の方が大変ですね。
今回は9地区指導者講習会の同時に開催されました。
講師は元日本代表の堀池巧さん。
やべっちFCでお馴染みですよね。
印象は気さくな方で、思っていたより大きかったです。
宿舎に移動しケアルームのセッティングをしていると・・・。
遠路遥々やって来ました東海トレセンあるところに児野楓香あり!!
今回は足型の採型とテーピング。
皇后杯出場を決め、今は女子高校選手権大会静香県予選決勝リーグを戦っています。
その後の連絡では、11月2日・3日と連勝し県大会優勝!東海大会出場を決めたようです!!
つま恋の宣伝をするつもりはありませんが、
部屋からイルミネーションが綺麗に見えました。
光と音楽のコラボレーションがテーマだそうです。
楓香もテンションが上がり写真を撮っていました。
まあ何だかんだ言っても高校生ですね。
2日目の朝です。
雨は降っていませんが今にも崩れそうな空模様・・・。
1日持てばいいなと祈りながらのU-15女子東海トレセン対抗戦&U-12女子東海トレセンスタートです。
今回から始まるU-12女子東海トレセン。
選手たちは分かっていたものの、予想以上にまだまだ子供・・・。
トレセンスタッフも初めての開催で戸惑いながらのことだったと思います。
夜にはU-15トレセンと同様にU-12もレクチャーがありました。
この年代の選手たちにもJFAがどのように育成したいかを分かってもらうために、
「なでしこビジョン」を聞いてもらいました。
なでしこになるためにはサッカーが上手いだけではダメです。
日常生活、練習態度などなどピッチの内外での振る舞いも重要です。
今回のトレセンでは、このピッチの内外の過ごし方についても指導がありました。
最終日3日目です。
天気は快晴!!しかし風が強く寒かったです。
天気が良ければサッカー日和だったのに残念です。
グラウンドに来ると風はそれほど強くなく、いい環境でトレーニングできました。
午前は守備についてのトレーニング。
昨日の指導が効いたのか?フワフワ感は少し減り、集中してトレーニングに励んでいました。
午後からはゲーム形式のトレーニング。
選手たちは、このトレーニングが一番イキイキしていました。
15時にすべてのトレーニングが終了し閉会式。
選手たちは今回のトレセンを通じて多くのことを学んだことと思います。
まだまだ幼さが残り、「サッカー選手」という自覚をもつのは難しいとは思いますが、
少しずつでも気付いていって成長してくれれば嬉しいです。