怪我をしたら、しばらく「安静」は間違えだった!?
日本体育協会公認アスレチックトレーナー、高浜市のひえだ接骨院、院長の石川です。
「昨日までの常識は、今日の非常識」
という言葉があります。
戦争を経験された世代の方ですと、しみじみ感じることだと思います。終戦の前と後で社会のルールや価値観が一変したのを実体験として味わっているからです。
ここまで極端な例ではなくとも、医療の世界も日進月歩のため、日々マイナーチェンジが起きています。
その一つが今回お伝えする「安静」です。
kid reporter on the bench
by leafar.
思い出して下さい。
怪我をして病院へ行った時のことを。
「痛みと炎症が治まるまで、4日間位は少なくとも安静にしておいて下さい」
そんな風にお医者さんに言われたことが無いでしょうか?
そもそも安静はなぜ大事なのか?
①怪我をした患部に余計な負担をかけずにすむ>
②患部に十分な血液が流れることで、酸素や栄養素が届き、痛みの物質も排出されやすくなる(その結果、損傷した組織の修復が早まる)
という理由があるからです。
ですが、近年行われた数々の臨床研究の結果、
「しばらく安静にしているよりも、できる範囲で日常生活を続けた方が、回復が早い」
ということが分かってきたのです。
(参照:「腰痛診療ガイドライン2012」日本整形外科学会 監修)
これは、安静にしていることで、筋力や心肺機能が衰えてしまうことが原因だと考えられます。その結果、動き続けた場合よりも血液循環が弱まり、回復が遅くなってしまうのです。
そしてこれは、スポーツ復帰の現場では特に大切なポイントとなります。筋肉を使わない状態を続けると、筋力は1日に約1%も低下してしまうからです。
ただし、
・どこまで動いていいのか?
・どんなトレーニングをすれば良いのか?
・いつ完全復帰して良いのか?
などが分からないと、症状が悪化してしまったり、癖になってしまったりしかねません。
ですから、スポーツドクターやアスレチックトレーナーなどの専門家を訪ね、この辺についてアドバイスをもらいながらリハビリを行うようにしましょう。