サッカー選手の宿命「膝の痛み」の種類と予防法
愛知県のサッカートレーナー、日体協公認ATの石川です。
ご存知のように、サッカーというスポーツは相手との接触が多く、下半身を酷使します。走る、跳ぶ、急停止する、方向転換する等、膝に大きな負担をかけます。
その結果、サッカー選手に最も多く頻発し、重大な怪我になりやすいのが「膝のケガ」です。
膝の痛み
by J.J. Verhoef
膝のケガの原因と種類
膝のケガは、原因により大きく2つに分けられます。
一つ目は、膝の使いすぎによって起こる障害です(スポーツ障害)。
二つ目は、突発的な事故によって起こる怪我です(スポーツ外傷)。
今回はまず、スポーツ障害の概要についてご説明します。サッカー選手がなりやすい膝のスポーツ障害としては、
・ランニングを頻繁に行なう人で発症しやすい膝の外側の痛み「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん:ランナー膝)」
・キックやダッシュ、ジャンプを繰り返すことで膝の皿の下が痛み出す「膝蓋腱炎(しつがいけんえん:ジャンパー膝)」
・10~15才の成長期に発症しやすく膝の下の骨が突き出て痛む「オスグッド病」
等があります。
こうしたスポーツ障害はある種「スポーツ選手の宿命」でもありますが、日頃からの十分な身体のケアを行なうことで、予防することが可能となってきます。
スポーツ障害を予防するための9つのケア
1. 練習前に必ずウォーミングアップやストレッチを行い、筋肉や関節を軟らかくする
2. 練習後も必ずクールダウンやストレッチを行い、疲労物質を溜めないようにする
3. 筋肉や関節、腱への負担が少ない、正しいフォームで運動する
4. 太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)や膝周りの筋肉を強化して、膝関節への負担を減らす
5. 適度に休息をとり、筋肉がいわゆる「超回復」する期間を作る
6. 身体の回復に不可欠な、十分な食事とバランスの良い栄養を摂る
7. 足の形状や角度にあったシューズを選び、身体への負担を減らす
8. 成長期は無理をせずに、フィジカルトレーニングよりもテクニック系の練習に重きを置く
9. 上記の全てについての必要性や知識・理解を深める
また、もし膝に痛みを感じたら、自己判断せずに早めに医療機関を受診することで、症状の悪化を防ぎ、早期に復帰できるようになります。